コインや切手、ミニカーなどを集める趣味にはその人の「好き」が詰まっていますよね。
そして集まれば集まるほど、その方の人生をみているかのような気分になります。
今回は、そんな「集める心」が形になったスポット、二子玉川にある「大勝庵 玉電と郷土の歴史館」をご紹介します。
こちらの施設には、館主さんが長年にわたって集めてきた歴史を感じる私物がずらりと展示されており、まるで時代を旅するような気分を味わえます。
限られたスペースに集まるたくさんの歴史がつまった宝物
二子玉川駅から高島屋を通り過ぎて、少し歩くと見えてきます。
日曜日に訪れると、すでに複数名の先客が中にいらっしゃいました。
外から少し覗いてみると、それほど広い空間ではなさそうだったので、時間を少しずらして再度うかがうことにしました。
数分、近くを散歩して改めて訪れてみました。
中に入ると、コンパクトな空間でしたが、そこには所狭しと並べられた昭和レトロな品々がずらり。

一歩足を踏み入れただけで、まるでタイムスリップしたかのような世界が広がっていました。

切符や看板、入口付近には電車の運転席もあり、歴史を感じられるコレクションがたくさん。種類は数え切れないほどあります。
そして、私が見たことのないものばかりです。
部屋全体に昭和レトロな雰囲気が漂っています。
昔から物を集めることが好きな館主さん
「みんなが捨てちゃうものを集めるのが好きなんですよ」
そう話す館主さん。こちらのコレクションは全て、館主さんの私物だそうです。
始めは空き缶集めが趣味だったとのこと。めんこや栓抜きなども目にすると絶対に欲しくなってしまう性格ということもあり、どんどん集めているうちにさまざまな物が集まったと話していました。
そんな館主さんは、珍しい空き缶などをいつ見つけても大丈夫なように街を歩く時はビニール袋を持っていくそうです。
またコレクションは自分で集めた物の他、いろいろな方からいただいたものもあるとおっしゃっていました。
私が伺ったときも、お客さんが1人いて、マッチを渡しにきたと言っていました。
一番大きくてインパクトのある電車の運転席について伺うと、こちらは館主さんが以前、お蕎麦屋さんを経営していた頃の常連客からいただいたそうです。

今の電車の先頭車両から見える運転席とは全く違い、じっくりと見入ってしまいます。
細かいパーツもしっかりと残されており、電車に詳しくない私にもその本物感が伝わってきました。保存状態も非常によく、大切に保管されていることがよく分かります。
こんな貴重なものをいただけるのは、館主さんの熱意が多くの方々に伝わっている証しだと感じました。
知り合いの他にも、ご家族様が見つけたものを持ってきてくれることもあるそうです。
館主さんの思いを尊重するご家族様もステキだと思います。
展示品に宿る館主さんの思い
とにかく好奇心がすごいと話す館主さん。
「日めくりカレンダー、私の言葉をいっているのかと思って、捨てずに取っているんです」

そう言って見せてくれた日めくりカレンダーには「明るい人のもとに人も物も集まる」と書かれています。
いいこと書いてあるからずっと捨てずにとっていると言っていました。
他にも「生涯現役」と書かれたカレンダーも。

初めてお会いしたばかりでしたが、不思議とこれらの言葉がぴったりの方だと感じました。
また、こちらの部屋以外にも展示品がありますが、すべてどこに何をおいているかを把握しているそうです。趣味の部屋もあり、そこにもたくさんのコレクションがあるとおっしゃっていました。
「大勝庵 玉電と郷土の歴史館」では、昭和レトロな珍しいものをみれることはもちろん、館主さんのお人柄にも触れられ、温かいひと時を過ごすことができます。
入場料も無料であり、訪れる人への思いやりが感じられます。
ぜひ、一度足を運んでみてください。
大勝庵 玉電と郷土の歴史館
住所:東京都世田谷区玉川3丁目38‐6 第二玉川グランドハイツ
アクセス:東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」から徒歩約10分
TEL:080‐1227‐6158
営業時間:10:00-15:00
定休日:月、水、金曜日