モザイク壁画が美しい!二子玉川駅近くの隠れた名所「瀬田アートトンネル」

にぎやかな二子玉川駅周辺の商業エリアを抜け、落ち着いた瀬田エリアの住宅街へと続く階段を降りていくと、玉川通り(国道246号線)の下をくぐるトンネルがあります。

それが「瀬田アートトンネル」です。

一見すると、どこにでもある車道と歩道が設置されたトンネルに見えますが、一歩足を踏み入れた瞬間、壁一面に広がる色彩豊かなモザイク壁画が、ただの“通路”ではなく“立ち止まりたくなる空間”に。

地域の日常に彩りを添えるアートスポットとして、住民からも親しまれている場所なんですよ。

二子玉川駅から歩いて8分ほど

瀬田アートトンネルへは、まず二子玉川駅の改札を出て西口へ。
目の前には玉川通り(国道246号線)、その向こうに玉川高島屋の大きな建物が目に入ります。

高島屋を左手に見ながら国道沿いをしばらく歩いていくと、次第に街のにぎわいが落ち着き、住宅街の雰囲気へと変わっていきます。

前方に2024年に惜しまれつつ閉館した玉川高島屋S・Cガーデンアイランドが見えてきたら、脇にある階段を下へ。

階段の先は見えないので「どこへ続いているのかな?」と、少しだけわくわくした気持ちに。

さらに降りていくと、瀬田トンネルに到着です。

住民に親しまれる“日常のアート”

瀬田アートトンネルは、1993年に玉川通り(国道246号線)の下を横断する「瀬田ずい道」を『照明とモザイク壁画の芸術作品』として改築してできたトンネル。

改築前の瀬田ずい道は四角形のトンネルで、暗い・汚い・危ないというイメージだったそうです。

そんな以前のイメージが信じられないほど美しいアーチ形状のトンネルには、明るい照明と色彩豊かなモザイク壁画が施されています。

トンネルの上は玉川通り(国道246号)

そして、瀬田アートトンネル最大の魅力は、やはり壁全面を覆うモザイク壁画。

こちらのモザイク壁画は、地元の多摩美術大学の学生4人グループによるデザインで、テーマは“多摩川と国分寺崖線(こくぶんじがいせん)”。

トンネル内を歩きながら見ていると、小さなタイルが丁寧に並べられ、色とりどりのパターンが流れるように続いていて、近くで見ると一粒一粒のタイルの質感が感じられます。

そして、ふっと道路の向かい側の壁面を眺めると、今度はひとつの大きな作品に見える……。

そんな遠近での楽しみ方ができるのも魅力のひとつです。

モザイク壁画のデザインテーマのひとつである“国分寺崖線”は、世田谷区にある豊かなみどりに覆われた崖の連なりのこと。

多摩川が10万年以上の歳月をかけて武蔵野台地を削り取ってできた段丘で、その周辺には樹林や湧水などが多く残り、生き物にとっても重要な生息空間になっています。

テーマを知った上であらためてモザイク壁画を見てみると、多摩川周辺の自然や景観を感じさせるモチーフが織り込まれており、だからこそ地域の空気感とも調和しているのだなと感じました。

さらにタイルの反射や自然光の入り方によって、時間帯ごとに表情が変わるのも見どころ。

朝はやわらかな光が差し込み、昼間は色彩がより鮮やかに、夕方は少し落ち着いた雰囲気になって、夜は壁画がライトアップされるという、何度訪れても違う印象を楽しめます。

そしてトンネルという閉ざされた空間でありながら、圧迫感はほとんどありません。

また、瀬田アートトンネルは観光地として大々的に紹介されるスポットではなく、地域の人々の日常の中に自然に溶け込んでいる場所です。

出勤のため駅に向かう人。
通学途中の子どもたち。
愛犬と散歩をしているご夫婦。
買い物帰りの住民の方。

暮らしの延長線上にある空間であり、アートが“飾られているもの”ではなく“生活の一部”として存在していることが、瀬田アートトンネルのいちばんの魅力かもしれません。

子ども連れでも楽しめるスポット

トンネルは歩道のすぐ側がモザイクアートになっているので、子どもと一緒に楽しむことができます。

モザイクの色や形を見ながら「これは何に見える?」「この色きれいだね」といった会話が自然に生まれるのも、身近な空間ならでは。

ふらっと立ち寄れて気軽にアートに触れられる、それが瀬田アートトンネルの良さなのです。

知っているとちょっとうれしい場所

『第10回1995年度公共の色彩を考える会公共の色彩賞』に選定

瀬田アートトンネルは、その特徴的な雰囲気からドラマや映画、ミュージックビデオのロケ地としてしばしば利用されているスポットでもあります。

たとえば『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』や『to Heart 〜恋して死にたい〜』などといったドラマの大切なシーン、そして映画『カラフル colorful』の舞台にもなっていて、それだけ魅力のある場所ということですね。

にぎやかな二子玉川のすぐそばにありながら、ほんの数分で出会える静かなアート空間を、ぜひゆっくりと味わってみてください。

瀬田アートトンネル
住所:東京都世田谷区瀬田32
アクセス:東急田園都市線「二子玉川駅」から徒歩約8分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。